【保存版】医療事務がオススメな人は? 業務内容、給料、メリット・デメリット完全ガイド!
- 一般事務職よりも手に職/専門性が欲しくて医療事務が気になっている…
- 全国どこでも働ける&安定しているから医療事務はオススメって本当?
- 医療事務になるためには資格が必要?不要?どっちなんだろう?
医療事務が気になっているけど、資格スクールを紹介する記事ばかりで、実際のところがわからないと思っていませんか?
医療事務という仕事をオススメできる人と、オススメできない人はハッキリ分かれます。なぜなら、給与水準が低く、給料が上がる見込みが小さいからです。
この記事では、医療事務資格の中で最難関とされる診療報酬請求事務能力認定試験(2025年12月終了)に独学で一発合格し、レセプト関係業務に10年従事していた私が
- 医療事務がオススメなのはどんな人なのか?
- 医療事務の業務内容やお給料
- 医療事務のメリデメ(メリット、デメリット)
について紹介します。
この記事を読むと、医療事務という仕事が自分に合っているのかどうか? 時間とお金を投資する価値があるのか?判断できるようになります。
結論、医療事務という仕事は、30-40代の女性にはオススメできますが、10-20代の女性にはオススメできません。
オススメする人
30~40代の女性
ブランクのある再就職、ド田舎で仕事がない
子育て優先で勤務時間に制限がある場合
オススメしない人
10~20代の女性
事務職なら→成長している業界(ITなど)
医療業界がいいなら→医療専門職を検討すべし
1. 医療事務の業務内容
医療事務とは、医療機関で働く事務職の一つです。患者さんの受付から予約、患者情報(カルテ)の管理、医療費の請求など多岐にわたる業務をこなしています。

- マイナンバーカードまたは保険証で資格確認をする
- 公費認定証等で確認する
- 問診票への記入を依頼する
- 患者の診察に必要な書類(カルテ)を作成・準備する
- 病院にかかってきた電話応対をする

- 医師の事務作業を代行する
- 診療録/カルテの入力代行
- 紹介状や診断書などの文書の作成
- 検査結果の整理など

- 患者の診療録/カルテからレセプトを作成する
- 保険者の自己負担分を請求する(翌月10日まで)
- 審査支払機関や保険者からの問合せに対応する
- 返戻(へんれい)されたレセプトを修正し、再請求する

- 患者の自己負担額を計算・請求する
- 患者さんに高額療養費や公費などの申請案内をする
Step3の診療報酬明細書/レセプト作成業務が、医療事務の資格試験で問われる内容です。
医療事務の仕事は、患者の診療に直接関わるものから、医療機関(病院・クリニック)の経営に貢献するものまで幅広く、医療や社会保険制度に関する知識やスキルを身につけることができる仕事なんですね。
2. 医療事務資格について
医療事務の業務内容のなかで、高い専門性が求められる診療報酬明細書/レセプト作成業務に関して、さまざまな資格があるのですが、医療事務に国家資格はありません。
複数の民間資格が乱立している状態です。つまり、医療事務になるために資格は不要で、資格を持っていなくても医療事務として就職できるんです。

資格がなくても医療事務になれるのに、何のために取るん?

就職活動のときに「ちゃんと医療の専門知識を持ってますよ」っていうアピールとして使えるんだよ
医療事務の民間資格は複数ありますが、おすすめできるのは2つだけです。
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)
- 医療事務認定実務者試験
いずれも医療事務の基本的なスキルと知識、診療報酬に関する専門的なスキルと知識を認定するもので、独学で十分、合格可能なレベルです。
医療事務の資格については、下記の記事で詳しく比較しています。

3. 医療事務の働き方・平均年収
医療事務は、医療機関に直接雇用される場合と、派遣会社に雇用されて医療機関に派遣される場合がありますが、どちらも給料は高くありません。
① 医療事務の勤務先と働き方
医療事務の勤務先は、病院やクリニックが一般的で、歯科医院(歯医者さん)や調剤薬局などもあります。
- 保険医療機関(総合病院・大学病院、診療所、歯科医院など)
- 保険調剤薬局
- 保険者(健康保険組合、市町村など)
- レセプトコンピュータの開発会社
実はあまり知られてはいませんが、市町村や健康保険組合などで「レセプト点検員」が不定期で募集されていることもあります。
レセプト点検員とは、審査支払機関が審査をした後、保険者(健康保険組合や市町村など)が再び、レセプトを点検・確認するもの。審査支払機関のチェックの後、2回目に点検するので「二次点検」というんですね。
② 医療事務のお給料(平均年収)
- 時給(パートの場合) 最低賃金~1,400円程度
- 月給 160,000円〜290,000円程度
- 正社員の場合 年収約250~360万程度
- 契約社員や派遣社員の場合 年収約200万円

会社の一般事務よりも高い専門性が求められるのに、給料が低いってどういうこっちゃ!!

医療機関には、財源っていう構造上の課題があるんだ…
病院やクリニックといった医療機関の売上には、限界があります。保険診療の単価である診療報酬は、国(厚生労働省)が決めており、医療機関が独自に定めることはできないんですね。そのため、医療機関が収入を増やしたいときは、
- 患者の数を増して回転数を上げる
- 診療報酬点数が高い手術や処置をする
といったように収入を増やす手が限られているんです。
収入には限度がある中で、病院や診療所がある土地や家賃→医療設備→医師の給料→看護師さんや栄養士さんなどの医療職の給料といったものを支払っていく必要があります。ぶっちゃけ、医療事務はほとんど最後です。正直、医療事務は、医療業界の医師をトップとするヒエラルキーのほとんど最下層なのが現実なので、給料が上がらないのです。

給料が低い、昇給の見込みが少ないってイヤやぁ!
それでも医療事務がオススメされる理由って何なん?

やっばりそこは、職場である医療機関が全国にあるとか、安定性とかかなぁ…? あ、あと待遇は比較的悪くないところが多いよ!
③ 医療事務の待遇
医療事務の待遇は、一般企業と比べて悪くないです。制服が貸与されるところが多いのは、医療事務という仕事の特徴かもしれません。
求人情報から抜粋した待遇(例)
- 社会保険(健康保険・厚生年金)完備
- 制服の貸与
- 再雇用制度
- シフト制(週5日勤務/土曜日勤務の可能性あり)
- 年間休日(夏季休暇、年末年始等)
- 残業あり(月初~10日くらいまで)
医療機関の収入源である保険診療は、患者さんからは受診の都度、お金をもらいますが、医療費から患者負担分を除いた保険者負担分(7~9割)は、月単位でまとめて請求をします。
そのため、月末で締めて、診療報酬明細書/レセプトを作成して提出するまでの翌月10日まで、残業が発生することがあります。とはいえ、残業時間としては月10~20時間程度で、不定期だったり突発的でない分、予定は立てやすいです。
4. 医療事務のメリットとデメリット

メリット① 全国どこでも働ける・安定・需要がある
医療事務の最大のメリットはこれに尽きます。日本全国、どこにでも医療機関(病院、クリニック)があります。日本から病院がなくなるということは、まずありえません。病院があるということは、そこで働く事務員が必要です。
自分が住んでいる近くの医療機関(病院、クリニック)が求人募集しているかどうかは、タイミングや運もありますが、必ず医療事務の応募がり、安定的な需要があります。(=仕事を求めている病院がある)
ただし、「安定」とは「安く定まる」と書く字のとおり、給料は少なく昇給する見込みも小さいので、そこは注意が必要です。
メリット② 専門知識(社会保険制度、医療費など)が身につく
医療事務という仕事をするためには、医療保険などの社会保険制度や医療費など、生活に役立つ専門知識が必要になります。また、医師や看護師といった医療職と円滑なコミュニケーションのために、医療知識も必要です。
社会保険制度に関する知識の多くは、学校では教えてくれないのに、いざというときに役立つ知識ばかりなので、たとえ医療事務という仕事を辞めたとしても、勉強したことは決して無駄にはなりません。身につけておいて損はない!という知識です。
メリット③ 社会貢献度が高い
医療事務は、病気やケガで受診した患者さんが病院に訪れたとき、まず最初に接する窓口です。患者さんが安心して診察を受けられるように、やさしく対応したり、会計や書類の手続きをしたりしています。
医療機関の目線では、医師や看護師が診察や治療に集中できるよう支えています。
決して目立つ仕事ではありませんが、医療現場にとっては欠かせない大切な役割です。大変なことはありますが、人を助けることにつながりますし、患者さんから直接「ありがとう」と言ってもらえて、やりがいを感じられます。

デメリット① 給料が低い
医療事務は、企業の一般事務と比較して高い専門性が要求されるにも関わらず、お給料は低いです。将来的な昇給も期待できないという悲しい現実があります。
全国どこでも働ける、安定して需要がある、その代わりに低賃金。それが医療事務です。
デメリット② 職場の人間関係のストレス度合が高い
医療事務が働く職場である病院やクリニックなどの医療現場は、病気やケガになった患者さんや家族と接する仕事です。病気やケガで不安になって、情緒不安定になっている患者さんや家族とのコミュニケーションの中で誤解があってクレームになることも。
いっしょに働く職場の仲間である、お医者さんや看護師さんなどの医療職の方は「人の命に関わる仕事、ミスは許されない」という高い使命感と緊張感の中で働いているので、ピリピリしていることも。
その結果、人間関係のストレスは高い職場が多くなります。医療現場は人手不足もあり、ブラック職場も多いので、就職活動ではブラックを避けれるよう気をつけましょう。
デメリット③ 常に勉強し続ける必要がある
医療事務として求められる専門性は、医療サービスをルールに基づいて、診療報酬点数=お金に換算するものです。診療報酬ルールは、2年に1回に改定されます。2年ごとに改正されるルールをひたすら勉強し続ける必要があります。
医療技術の進歩や政治情勢の変化(コロナ禍で普及したオンライン診療、PCR検査、菅政権で実現した不妊治療の保険適用など)に伴い、ルールもどんどん変わっていきます。
医療事務として就職できて数年働いたとしても、産休・育休で仕事を休んで復帰したときの気分は浦島太郎。再びキャッチアップする時間が必要になります。
5. 医療事務に求められる必要なスキル
① 接遇
医療現場では、来院された患者さんに安心感と信頼感を持ってもらう対応力が必要になります。病院やクリニックに訪れる人は、体調が優れない、ケガをした、自分や家族の将来…といった不安を抱える人が多いです。
- 受付で挨拶
(おはようございます/こんにちは) - 丁寧な案内
(本日はいかがされましたか?/マイナンバーカードはお持ちですか?/) - 診察までの待ち時間の説明
(お掛けになってお待ちください)
基本のキですが、笑顔や丁寧な言葉遣いで細やかな気配りが求められます。接遇力は単なるマナーではなく、相手を思いやる気持ちであり、病院やクリニックの第一印象を決める重要な要素のひとつです。

GoogleMAPの口コミでも、受付の人の態度が悪い!とか私語で笑ってて気分を害した!って書かれてるの見たことある~

医療事務は、患者さんと医師や看護師をつなぐ「架け橋」なんだね
② コミュニケーション力
コミュニケーション力はどんなお仕事や職種でも求められるスキルですが、医療事務は患者さんだけでなく、医師、看護師、薬剤師など医療従事者ともやりとりが発生します。そのため、ある程度の医療知識は必要になってきますし、忙しい時間帯を避けるなど正確に状況を理解し、短い時間で分かりやすく伝えるコミュニケーション力が不可欠です。
一方、患者さんには専門用語を避け、やさしい言葉で説明する配慮が必要になります。トラブルやクレーム対応では、相手の気持ちを受け止めつつ冷静に対応する力も求められます。
医療従事者とは、ある程度の医療知識がある前提での会話をしつつ、患者さんには専門用語を使わない、やさしい言葉を使う、使い分けという高度なコミュニケーション力が必要になってくるわけです。
③ パソコンスキル
医療事務は、レセプト(診療報酬明細書)の作成や電子カルテの入力、患者情報の管理など、日常的にパソコンを使用します。「レセコン(レセプトコンピュータの略)」と呼ばれる医療事務専用端末を扱うスキルは必須であり、正確さとスピードが求められます。

え、専用端末? そんなん、どうやって覚えればいいん?

- ブラインドタッチはできる
- WordやExcelは、抵抗感なく使いこなせる
このくらいのITリテラシーがあれば、すぐに慣れるから大丈夫!

- キーボードで入力するのが遅い
- パソコン操作に疎い
っていう感じじゃなけりゃえぇっちゅーことやな!
医療業界は、業界全体でIT化がとても遅れています。そのため、基礎から応用まで幅広いパソコンスキルを持っているだけでも、医療事務としての大きな強み・差別化になりますので、しっかりと身につけておくことをオススメします。
まとめ
医療事務という仕事は、
というメリットがある一方で
というデメリットがあります。
給料が低く、昇給する見込みもないことから、20代の女性が一生の仕事、ファーストキャリアとして選択するのは正直、オススメしません。
しかし、30~40代の女性で
- ブランクがある再就職
- ド田舎で一般事務として働ける会社がない
- パートナーの転勤が多く、キャリアの断絶が今後も見込まれる
- 子育て優先で働き方を選びたい
当てはまる項目が多い人には、医療事務はオススメの仕事になります。
30~40代の女性で上記に当てはまっているけど「それでも医療事務が自分に合っているんだろうか…」と不安になっている人は、スクールも検討してみるといいかもしれません。
いやいや、いきなりスクールとか大金すぎる!無駄になっちゃったらどうするの!?という方は、みっこ@医療事務ねっと管理人がKindle本を書いていますので、こちらを読んでみてください。スクールに入るよりは安価に、ざっくりと医療事務の概要を学べます。
ちなみに、KindleUnlimitedに入ると無料で読めます!

ちょ、待てや! 10~20代の女性はどうすればええねん!

どうしても「医療事務になりたい!それが将来の夢なんだ!」っていう人は、医療事務になってね! ただ、
- やりたいことがなくて迷ってる
- 安定がほしい、将来困らなそう
っていうだけならファーストキャリアで、イケてる成長産業を選ぼう!

イケてる成長産業ってどこやねん!
10~20代の女性には、医療事務ではなく、WEBやIT業界をおすすめします。
進路に迷っている学生さん、新卒や第二新卒でやりたいことが見つからない人は、未経験でも大丈夫・ポテンシャル採用してくれるイケてるIT企業への就職を探してみましょう!

