医療保険制度

【超基本】健康保険(公的医療保険制度)とは何か

健康保険と医療保険ってどう違うの?と聞かれて、あなたは答えられますか?

「医療保険」と聞くと、ほとんどの人は、アヒルやイヌのキャラクターが可愛らしい「民間保険会社の商品」を思い浮かべるのではないでしょうか?

でも、病院で使われるのは「健康保険」と呼ばれる公的医療保険です。

この記事では、民間保険会社の医療保険ではなく「健康保険」について解説しています。

ヒヨ娘と鶏

鶏やがワシも、アヒルは大嫌いやけど、アヒル保険に月1万円を払っとるで!万が一のことを考えて、ヒヨ娘のために入っとる!

うさぎ先生

そっちの医療保険じゃない、健康保険について説明させて!

ヒヨ娘と鶏

健康保険と医療保険の違い?なんとなくはわかるが、説明しろ言われたら難しいな…

この記事を読めば、健康保険の基本的なしくみを理解することができます。

この記事で学べること
  • 保険とは、みんなでリスクを分かち合う仕組みのこと
  • 日本では、すべての人が公的医療保険(健康保険)に入っている
  • どの公的医療保険(健康保険)に入るか、自分で自由に選ぶことはできない

保険とは何か

保険ってなに?と小学生に聞かれて、あなたなら何と答えますか?

健康保険、介護保険、雇用保険、医療保険、火災保険、自動車保険。保険には、たくさんの種類がありますが、そもそも保険って何でしょうか?

一言でいうと、

保険とは、みんなでリスクを分かち合う仕組みのこと

です。各保険がどんなリスクを分かち合っているのでしょう。

健康保険や医療保険
→ 病気になるリスク

介護保険
→ 介護が必要になるリスク

雇用保険
→ 失業するリスク

火災保険
→ 自信や火事で家を失うリスク

自動車保険
→ 自動車事故により人に怪我をさせたり、物を壊したりするリスク

これらのリスクをみんなで分かち合っているのが、保険です。

健康保険と医療保険の共通点

健康保険も医療保険も、病気になるリスクをみんなで分かち合っている保険です。

具体的には、病気になったときのために、みんなでお金を出し合います。

お医者さんに見てもらったり、お薬を買ったりするには、とてもお金がかかります。

自分や家族が病気やケガで働けなくなって、生活できなくなるかもしれません。

そうならないために、日頃からみんなでお金を出し合っておきます。

そして、お金を出し合っていたメンバーやその家族が、病気やケガになって治療が必要になったとき、みんなが出し合っていたお金を使うのです。

病気になった人が健康保険からお金をもらって病院に行くしくみ

では、健康保険と医療保険の違いは何でしょうか?

公的医療保険(健康保険)と民間医療保険の違い

ヒヨ娘と鶏

どっちも病気になったときのサポートやんな。ゲンナマ(現金)で貰えるかどうかちゃう?

うさぎ先生

ぜんぜん違うのに、ちょっと惜しく感じちゃうのはなぜ!笑

健康保険と医療保険の違いを簡単にいうと、次のとおりです。

健康保険= 公的医療保険

病気やけが、またはそれによる休業、出産や死亡といった事態に備える公的な医療保険制度のこと。法律で定められた保険者(国や市町村、健康保険組合、共済組合など)が保険診療等に対し、一定の費用を負担するもの。日本においては、全ての人に加入義務がある。

民間医療保険

民間保険会社の商品。どの会社のどの商品を買うかどうか、自分が決める。もちろん、買わない、入らなくてもよい。

ヒヨ娘と鶏

うんうんうんうん……で、何が違うん?

うさぎ先生

……

ヒヨ娘と鶏

え?

うさぎ先生

最終兵器!必殺☆魔法のカード!健康保険証ーー!!

ヒヨ娘と鶏

な、なんや!?いきなり!

うさぎ先生

病院に行くときに持っていくよね?ここから説明スタートするよ!

健康保険:病院に行ったときに使う

たとえば、病気やケガをしたら、病院に行きますよね。
すると、必ず受付の人に「保険証をご提示ください」と言われます。

月に何度も行く病院では、診察券だけでも良い場合もあるかもしれませんが、基本的には病院は毎回必ず、保険証を確認しなければなりません。

なぜ、保険証を提示することでどうなるのか、知っていますか?

ヒヨ娘と鶏

カネが安ぅなんねん!

うさぎ先生

間違ってないけど、正解とも言いがたい!

正確には、医療費が安くなるのではありません。
かかった病院代のうち、窓口で支払うお金が1~3割(※1)で済むのです。

では、残りの7~9割(※2)は、誰が支払っているのでしょう?

ヒヨ娘と鶏

税金やな!

うさぎ先生

違います(キッパリ)

かかった医療費の7〜9割(※2)は、あなたが入っている健康保険の保険者(=保険証に書かれている)が支払っています。

つまり、病院に提示する保険証は「わたしは、この健康保険に入っています。だから、医療費の7〜9割(※2)はそこに請求してね!」という役割をしているのです。

【図解でわかる】保険者とは? 保険者(ほけんしゃ)とは 保険契約に基づいて、保険料を徴収し、保険事故の発生の際に保険金を支払う義務を負う者。⇔被保険者。出典元...

※1 ここではわかりやすくするため単純化して、高額療養費や公費、医療費助成についてはあえて言及していません。

※2 かかった医療費の何割を払うのか?という自己負担割合は、年齢によって変わるので、詳しくは「【図解でわかる】年齢別の自己負担割合(病院の窓口負担割合)」を読んでください。

【図解でわかる】年齢別の自己負担割合(病院の窓口負担割合) 病院に行ったとき、お医者さんから問診(「今日はどうしました?」っていう会話)を受けたり、血液検査をしたり、お薬を出してもらったり、とき...

医療保険:契約で定められた条件のときお金が支払われる

一方、医療保険は、民間保険会社の商品を示します。

第一生命、明治安田生命、ソニー生命など、たくさんの生命保険会社があります。

入院したら1日〇〇円、手術したら〇〇円など、さまざまな商品が販売されており、病気や手術など契約のときに決めた条件を満たしたときにお金が支払われます。

どんな条件のときにいくら支払われるのか、契約するときに自分で決めることができます。もちろん、買わなくてもいい任意の保険です。

日本人の多くは、健康保険を補完する目的で民間の医療保険に入っています。

たしかに、先進医療などの一部に保険は使えません。入院するとその間は働くことができなくなります。

不安から医療保険に入る人は多いですが、実のところ「健康保険」について詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。

知らないから不安になるんです。しっかり学べば、自分に医療保険が必要どうか判断することもできるようになります!

健康保険(公的医療保険制度)の特長

日本では、すべての人がどこかの健康保険に入っています。

健康保険の種類については後述しますが、すべての人が健康保険に入っていること、これを「国民皆保険制度」といいます。

当たり前に思えるかもしれませんが、アメリカで低所得者や高齢者向けのメディケア、メディケイドを除いて、公的医療保険はありません。かつて、オバマ大統領が国民皆保険制度(オバマケア)を掲げましたが、失敗に終わりました。

保険料もバカ高く、無保険の人も多くいるアメリカは、自分の経済力で支払える保険料の医療サービスしか受けることができない資本主義国家なんですね。

ヒヨ娘と鶏

日本でよかったのぅ、ヒヨ娘!

うさぎ先生

保険に入ってれば、収入に関わらず医療が受けられる、素晴らしい!

健康保険(公的医療保険制度)の種類

すべての人がどこかの健康保険に入っていますが、同じ保険に入っているわけではありません。

ヒヨ娘と鶏

鶏やがワシは、どこの健康保険に入ってんねやろ…?

うさぎ先生

保険証を見たら書いてあるよ!

ヒヨ娘と鶏

失くしたら怖いから、持ち歩いてないねん!

どの健康保険に入るかは

  • 年齢
  • 会社
  • 職業
  • 住んでいる場所


これらによって決まります。日本では、自分で加入する公的医療保険(健康保険)を直接的に選ぶことはできません。

  • どのような制度がツギハギされて国民皆保険が成立しているのか
  • 公的医療保険(健康保険)の保険者にはどのようなものがあるのか

について詳しく知りたい方は「【図解でわかる】損しないための知識!医療保険者の種類」を読んでください!

【図解でわかる】保険者の種類を学べば制度がわかる!日本の公的医療保険制度(健康保険)は、世界的に見てもしっかりと整備されていますが、その実態を解像度高くみると、複数の制度のツギハギでできています。それぞれの制度の特徴や背景を学び、落とし穴にはまらないように備えましょう。...

【オマケ】生活保護

国民健康保険(国保)が「健康保険の最後の砦」ならば、生活保護は「社会保障のセーフティネット」です。

国民健康保険は、他の公的医療保険(健康保険)に入れないとき「強制加入」になりますが、生活保護を受給し始めると国民健康保険の資格を失います。「保険」はあくまでお互いに支え合う仕組みですが、「生活保護」は国にサポートされる仕組みなので、資格を喪失するんですね。

まとめ

いかがでしたか。ここでは、日本の公的医療保険とは何か?という超基本的な問いに対し、小学生でもわかるように図解で説明してきました。

今日のポイント
  • 保険とは、みんなでリスクを分かち合う仕組みのこと
  • 日本では、すべての人がどこかの公的医療保険(=健康保険)に入っている
  • どこの健康保険に入るかは、自分で決めることはできない

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