診療実日数とは?カウントしない診療報酬点数とレセプト記載方法を解説!
診療実日数(しんりょうじつにっすう)とは
診療実日数(しんりょうじつにっすう)とは、保険医療機関において保険医が診察や治療などの保険診療を行った日数のことです。
もっと簡単にいうと「病院でお医者さんが患者さんに対し、診察や治療を行った日数のこと」です。
「診療実日数」の計算は、1日に複数回診療を受けた場合でも、その日は「1日」と数えます。つまり、1日に何度、診察や治療を受けても、「診療実日数」は「1日」になります。
病院に行って、先生に診てもろたら「1日」ってことやろ?
めちゃくちゃ簡単やん!何でわざわざ?
逆に、どういうケースでは「診療実日数」としてカウントしないのか?を知っておく必要があるんだ!
診療実日数としてカウントしちゃいけないのに、カウントしてたら、医療事務のミスとしてレセプトが返戻されるから要注意!
- 保険医療機関において保険医が診察や治療などの保険診療を行った日数のこと
- 1日に複数回の診療を受けた場合でも、診療実日数は「1日」になる
- 入院分は、≒入院日数となる
- どういった場合に「診療実日数」としてカウントしないかを覚えるほうが大事
診療実日数としてカウントしない事例
事例1:検査だけの場合、検査結果を受け取っただけの場合
医師の診察を受けて
もう少し詳しく検査が必要です。
今週の木曜日の午後は空いていますか?CTを予約しましょう。
6月5日(月) お医者さんの診療を受ける(CTの予約)
6月8日(木) CT検査を実施
6月12日(月) 先生からCTの結果とともに、病気の説明を受ける
といったように、医師の診察を受けて後日、CTやMRIなど検査を予約して、検査だけを受ける日があったとします。
6月8日(木)のCT 検査だけをした日は、医師の診察を受けていないので「診療実日数」としてカウントしません。※ 考え方としては、6月5日の診察の一連としてみなされます。
同じように、検査結果の紙だけを病院受付から受け取っただけで、医師の診察を受けていない場合も「診療実日数」としてカウントしません。
他にも、医師の指示の下で、後日、看護師さんが採血だけをした場合も「診療実日数」としてカウントしません。
事例2:紹介状や傷病手当金意見書などの文書を受け取っただけの場合
医師の診察を受けて
検査結果が少し悪いので、大きい病院での受診をおすすめします。
よろしければ○○病院に紹介状を書きますが、よろしいですか?
お…おねがいします!
それでは、来週までに準備して受付に渡しておきますので、取りに来てください。
といったように、医師の診察を受けて後日、紹介状だけを受け取りに行く日があったとします。その日、医師の診察を受けなかった場合は、診療実日数としてカウントしませんが、診療情報提供料を算定することができます。
このように、医師が他の病院や訪問看護ステーションなどに対して文書を発行したとき、医師の診察がなければ、診療実日数としてカウントしません。
紹介状(≒診療情報提供料)のように、文書を発行したときに算定できる診療報酬で、医師の診察がなければ診療実日数としてカウントしないものには、他にもあります。
- B009 診療情報提供料(Ⅰ)
- B012 傷病手当金意見書交付料
- B013 療養費同意書交付料
- C007 訪問看護指示料
- C007-2 介護職員等喀痰吸引等指示料
- 精神科訪問看護指示料
事例3:看護師や助産師、管理栄養士、理学療法士などの行為のみの場合
診療報酬の中には、医師だけでなく、医師の指示を受けた看護師や助産師、管理栄養士、理学療法士、公認心理士などが行った場合に算定できるものがあります。
これらと同日に医師の診療や治療が行われなかった場合は、診療実日数としてカウントしません。
- 小児特定疾患カウンセリング料(ロ)
- 外来栄養食事指導料
- 集団栄養食事指導料
- 在宅療養指導料
- がん患者指導管理料(ロ)、(ハ)
- 乳腺炎重症化予防ケア・指導料
- 退院時共同指導料1
- 外来排尿自立指導料
- 精神科退院時共同指導料1
- 在宅がん医療総合診療料
- 在宅患者訪問看護・指導料
- 同一建物居住者訪問看護・指導料
- 在宅患者訪問点滴注射管理指導料
- 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料
- 在宅患者訪問栄養食事指導料
- 精神科訪問看護・指導料
レセプトの記載方法
ここからは、具体的なレセプトの記載方法について説明するよ!
診療実日数は、レセプトの右端に記載する箇所があります。記入欄は3段に分かれていて
- 医療保険を使った診療実日数
- 第一公費負担医療を使った診療実日数
- 第二公費負担医療を使った診療実日数
を上から順に記載します。
公費負担医療がない場合は「公費①」や「公費②」には何も記載しませんが、「保険」の欄が空欄はエラーになるので「0日」の場合は「0(ゼロ)」の記載が必要です。
診療実日数としてカウントせぇへんっちゅーもんがあるのは、なんとなく覚えたで!でも、レセコン(レセプトコンピュータ)でエラーが出んねんけど!
しかし、レセコン(レセプトコンピューター)によっては、診療実日数が「0日」にも関わらず診療行為を算定しているとエラーが発生する場合があります。
また、審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金や都道府県国民健康保険団体連合会)においてエラーが発生し、レセプトが返戻される可能性もあります。
そのため、診療実日数をカウントしない理由を「摘要欄」に記載しましょう。
事例1:検査だけの場合、検査結果を受け取っただけの場合
事例2:紹介状や傷病手当金意見書などの文書を受け取っただけの場合
他にも、以下のようなバターンがあります。このように記載しなければならない、というルールはなく、審査支払機関や保険者がわかればOKです。
- 検査のみ来院
- 検査結果の受け取りのため来院(医師の診察なし)
- 傷病手当金意見書の交付のため来院
- ●月●日の往診後、処方箋の受け取りのため来院
まとめ
さて、いかがでしたか? 診療実日数は、医師の診察をカウントするものです。
算定した診療行為と、診療実日数の不一致があるとレセプトが返戻されてしまうので、基本のキとして覚えておきましょう!