【イメージで覚える】公費負担医療制度とは
公費負担医療(こうひふたんいりょう)とは
公費負担医療(こうひふたんいりょう)とは、公的扶助、社会福祉、公衆衛生等における公費負担医療制度があります。
この制度は、個々の法律に基づき、特定の人々を対象として国又は地方公共団体が医療給付を行うものです。
は?意味不明やねんけど。
何でカシコイ人らは、小難しいことばっかやねん!
誤解を恐れずに、やさしい言葉で解説するとこんな感じ!
- さまざまな理由で保険料ではなく、税金(=公費)で支えようというのが「公費負担医療」
- さまざまな理由とは、以下のようなものがあげられる
- 戦争が原因によるケガや病気のため
- 重大な感染病を広めないため
- 患者が少ない病気、治療方法がない病気のため
- 生まれつきの障がいや精神疾患のため
- 子どもに対する福祉のため
- 薬剤被害や公害等によるため
- 生活保護受給者への医療のため
一人ひとりからお金(保険料)を集めて、みんなが一人を、一人がみんなを支える相互扶助の「保険」ではなく、「税金」すなわち「公費」でまかなうのが「公費負担医療制度」なんだ!
公費(こうひ)っちゅーんは、税金のことか!
医療保険制度と公費負担医療制度のちがい
みんなからお金(保険料)を集め、病院に行ったときに集めたお金(保険料)を使う。互いが互いを助け合う「相互扶助」が基本的な保険のしくみです。
一人はみんなのために、みんなは一人のために。それが医療保険制度です。
一方、公費負担医療は、さまざまな理由により、公費(=税金)により国全体で支えようという考え方で成り立っています。
さまざまな理由って何なん?
国が補償すべきものや、公共のために個人の自由を制限してしまうもの、国全体で支えるべきものなどなど…
「理由別」に公費負担医療を分類するよ!
公的医療保険の種類
なぜ皆で集めた保険料ではなく、公費(税金)を使う必要があるのでしょうか?
考え方として共通しているのは、何らかの理由(理屈)により、相互扶助の保険ではなく、国として全員で支えていくべきものであるという点です。
丸暗記しなくて大丈夫!
どうして公費(税金)という国民全体で支える必要があるのか?
という理由を考えていくといいよ!
一般的には、公費医療を区別する公費負担番号順や、根拠となる法律で区分された状態で紹介されていますが、ここでは「国民みんなで支える必要のある理由別」でまとめました。
戦争が原因によるケガや病気のため(国の責任)
戦争によるケガや病気は、相互扶助の国の補償として支払うべきものという考え方です。
重大な感染症を広めないため(公衆衛生を優先)
感染症の公費は新型コロナウイルスで有名となりましたね。
感染症は、その致死率や感染力などによって決められたランクに応じて、全体の利益(公衆衛生)を優先し、患者の意志に反して隔離という自由を制限をする必要があります。
民主主義の国で、全体の利益(公衆衛生)のために自由を制限する(隔離する)というのは、想像以上に重いものです。そのため、相互扶助の保険ではなく、公費(税金)でまかなおうという考え方です。
患者が少ない病気、治療方法がない病気のため(社会福祉)
患者の数が少なく薬の発明が遅れている病気や、原因不明で治療方法が確立しておらず長期にわたって治療が必要となる病気などは、相互扶助ではなく国全体で支えようという考え方です。
生まれつきの障がいや精神疾患のため(社会福祉)
生まれつきの障害や精神疾患を持つ人は、国全体で支えようという考え方です。
子どもに対する福祉のため
国の未来を支える子どもに対し、ある条件を満たした場合は国全体で支えようという考え方です。(区市町村ごとに異なる福祉医療とは別モノです)
薬剤被害や公害等によるもののため
過去に、国の施策の予防接種で注射器を使いまわしたことにより、肝炎に感染してしまったという事例があります。
昭和50年に原則禁止されたアスベスト(石綿)は、建築分野で広く使用されており、被害の範囲が日本全国に渡り、当時の会社では被害者の補償ができないため、国全体で支えようという事例もあります。
生活保護受給者への医療のため
生活保護を受給する人に対する医療は、支えあいではなく国全体で支えるものという考え方です。
まとめ
一つひとつの公費の制度については、また別記事で説明するとして、今回はざっくりと公費負担医療について全体像を紹介しました。
相互扶助の健康保険ではなく、どうして公費(税金)で負担する医療制度があるのか?という観点から、公費負担医療制度をとらえてみました。意外と他にないWEB記事になったのではないかと思います。
医療事務ねっとは、医療事務になるための基礎知識を学べるWEBサイトです。ぜひ、お気に入り登録、Twitterのフォローをおねがいします。